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2025.7.15
カテゴリ: よくわかる建築用語解説
自由設計と注文住宅は何が違う?それぞれの定義とメリットデメリットをわかりやすく解説します

家を建てたいと思ったときに、「自由設計」と「注文住宅」という言葉をよく耳にする人は多いのではないでしょうか。どちらも「自分らしい家を建てる方法」だという印象を受けますが、実は契約方法や設計の自由度に大きな違いがあります。
違いを知らないまま契約してしまうと、後から「想定より制限が多かった」「本当はもっと細部までこだわりたかったのに」と後悔することもあるかもしれません。今回は自由設計と注文住宅の定義とそれぞれのメリットとデメリットを比較してみます。
自由設計とは
自由設計とは、間取りや内装などを自分の希望に合わせてある程度カスタマイズできる住宅のことを指します。注文住宅と建売住宅の中間の住宅販売形式とよく表現されます。一般的には、不動産会社やハウスメーカー、工務店が用意している土地と建物をセットで契約するケースが多く、いわゆる「建築条件付き土地」であることがほとんどです。
土地と建物をセットで契約するケースする形になるため、建築会社を自由に選べないケースが一般的です。ただし、あらかじめプランが決まった建売住宅よりは間取りを自由に決定できるため、「家の中のレイアウトだけはこだわりたい」という人にとっては魅力的な選択肢といえます。
一方で、設備のメーカーや外観デザインなどについては、ある程度仕様が決まっているケースも多く、細部まで完全に自由というわけではない点には注意が必要です。たとえば、キッチンのグレードを大きく上げたい、床材を無垢材に変更したいといった要望があると、追加料金がかかったり、そもそもオプション外だと断られてしまったりするケースもあります。
注文住宅とは
注文住宅は、土地と建物を別々に契約して進める家づくりの方法です。購入済みの土地がある場合や、これから土地を探す場合でも、建築会社を自分で選び、ゼロから家のプランを設計していきます。間取りはもちろん、使用する建材や設備、内装デザインなど、ほぼすべてを自分たちの好みに合わせてオーダーメイドできるのが特徴です。
既製品だけではなく、造作家具を組み込んだり、こだわりの素材を選んだりと、自由設計よりもさらに細かい部分までカスタマイズしたい人にはぴったりです。その一方で、施主と建築会社がゼロからプランを練り上げるため、打ち合わせ回数が多くなります。
希望がたくさんある場合、設備やデザインを選ぶ楽しさはあるものの、そのぶん検討事項が増えるため時間もかかりがちです。また自由度が高い分、造作家具などを採用したりオリジナルの間取りを作成したりするため、コストが増えることも否定できません。それでも、世界にひとつしかない完全オリジナルの住まいを手に入れたい人には、大きな魅力がある方法です。
自由設計と注文住宅の違い
これまでご説明したとおり、自由設計と注文住宅の大きな違いは契約形態と自由度にあるといえます。自由設計は土地と建物がひとまとめになっており、建築会社も基本的に指定されたところに限られる場合が多いです。注文住宅は土地を自分で用意し、どの工務店やハウスメーカーを選ぶかも含めて自由に決められます。
また、家づくりの自由度という点でも違いが生じます。自由設計は間取りをある程度カスタマイズできる一方、設備や内装材には会社ごとの標準仕様が設けられています。注文住宅はほぼすべてをゼロから決定できるため、こだわりの強い人には理想的です。
比較表
下記の表は、自由設計と注文住宅の主な比較ポイントをまとめたものです。
比較項目 | 自由設計 | 注文住宅 |
契約形態 | 建築条件付き土地とセット契約が多い | 土地と建物を別々に契約 |
設計の自由度 | 間取りは比較的自由だが、仕様変更に制限あり | 設備・内装・デザインなど細部まで自由に決定可能 |
費用 | 比較的ローコスト(オプション次第で変動) | こだわり次第で費用が上がりやすい |
打ち合わせ回数 | 少なめ(選択肢が限定されている) | 多め(細部までオーダーするため時間がかかる) |
建築会社の選択 | 条件付きの場合がほとんどで選べないことが多い | 施主自身が自由に決定できる |
オリジナリティ | ある程度出せるが制限も多い | 世界に一つの家を実現できる |
自由設計のメリットとデメリット
自由設計には、建売住宅よりも間取りの自由度が高く、自分たちの暮らしに合うレイアウトを実現しやすいというメリットがあります。標準仕様や設備がある程度規格化されているため、打ち合わせに要する時間や労力が注文住宅ほど多くならない場合もあるでしょう。さらに、大量仕入れや規格化によるコストダウンが期待できるため、予算を抑えやすい点も魅力です。
ただし、デメリットとしては、こだわりが強い人には物足りない可能性があります。キッチンやバスルームを別メーカーに変更する、外壁材を特殊な素材にするなど、大幅な仕様変更には追加費用がかかることも珍しくありません。良くも悪くも"建売住宅と注文住宅の中間"と認識てしおくと納得もしやすいと思います。
注文住宅のメリットとデメリット
注文住宅は、家づくりの自由度が非常に高く、理想のライフスタイルに合わせた間取りや設備をとことん追求できるのが最大のメリットです。デザインにこだわりたい、自然素材をふんだんに使いたいなど、施主の思いを一つひとつ形にできます。
土地も自由に選べるので、住みたい場所でオンリーワンの家を建てられる喜びがあります。一方、自由度の高さゆえに決定事項が多く、打ち合わせには時間と根気が必要です。仕事や育児で忙しい時期に重なると大変かもしれません。また、設備や素材をこだわるほど費用がかさんでしまうため、予算オーバーを防ぐためには計画的な資金管理が不可欠です。
アオイノハコは注文住宅専門ハウスメーカーです。施主様一人一人のご要望を丁寧にお伺いし、世界に一つだけのオーダメイドの家づくりを行います。私たちの家づくりの考え方は以下のページをご参照ください。
自由設計と注文住宅、どちらを選ぶべきか
自由設計と注文住宅のどちらが良いかは、人それぞれの事情や価値観によって異なると思います。
たとえば、「ある程度のオリジナリティがほしい」「なるべく早く家を完成させたい」「設備やデザインに強いこだわりはない」「手間をかけずに進めたい」という方には、自由設計の住宅が向いているでしょう。効率よく家づくりを進められます。
しかし、暮らしに合わせて細部まで設計したい、家づくりのプロセス自体を楽しみたいという人には注文住宅がおすすめです。理想の暮らし方が明確であれば、そのこだわりを形にしやすいのが注文住宅の魅力です。反面、スケジュールとコストの管理には注意が必要になります。
自由設計で後悔しないためのポイント
自由設計を選ぶ場合、事前に標準仕様やオプションの範囲をしっかり確認しておくと安心です。最初の見積もりで思い通りの設備やデザインが含まれていない場合、後から追加費用が発生する可能性があります。
施工会社の過去の施工事例をチェックし、自分たちのイメージに近い家がどれほど実現できているのかを確かめることも大切です。意見をきちんと聞いてくれる担当者かどうかも、満足度を左右する大きな要素になります。
注文住宅で押さえておきたいポイント
注文住宅は、自分たちの希望を反映できる自由度が高い分、決めることが多く、どうしても完成までに時間がかかります。引っ越しの時期がある程度決まっている場合は、スケジュールを逆算しながら、無理のないペースで仕様やプランを決めていくことが大切です。
また、もうひとつ重要なのが「予算配分」。すべてにこだわると予算オーバーになりやすいため、優先順位をしっかり決めることがポイントです。たとえば、キッチンや洗面・浴室などの水まわりにはしっかりと予算をかけつつ、あまり使わない部屋や装飾的な部分はシンプルに抑えるなど、バランスよく工夫することで、満足度の高い家づくりが実現しやすくなります。
アオイノハコでは、家づくりの最初のステップとして、まずファイナンシャルプランナー(FP)による診断を行い、無理のない総予算を設定していただきます。その上で、お施主様のご要望やイメージをもとに概算見積もりを作成します。
この段階では、家全体の大まかなボリュームをもとにした金額となっており、具体的なプランはまだ確定していません。プランが固まっていく過程で、各仕様や設備ごとの金額も徐々に明確になり、最終的には、最初にご提示した概算よりも低く収まるように計画を進めてまいります。
こうした段階的かつ丁寧な進め方により、これまで「予算オーバーでトラブルになった」といったクレームは一切ございません。ご安心してお任せいただければと思います。
まとめ
自由設計と注文住宅には、それぞれ異なる契約方式や自由度があり、向き不向きがはっきり分かれます。短期間や予算重視である程度の自由度があれば満足できるなら自由設計が便利ですし、逆に妥協なく細部までこだわりたい場合は注文住宅をおすすめします。
どちらにしても、まずは自分や家族が家に求める要素を整理し、施工会社やハウスメーカーに相談しながら比較検討することが成功のカギとなります。私たちアオイノハコでは、代表の横山ご夫妻が実際に住むモデルハウスを常時公開しており、注文住宅のメリットやデメリットを実際に見て触れて感じていただけます。
見学やご案内は無料で対応させていただいておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。