二世帯住宅という選択肢―子育てと将来を見据えて

最近は、出産後も仕事を続ける女性が増えていて、「子育てと仕事の両立」に悩むご家庭がとても多くなっています。そんな中で注目されているのが、二世帯住宅です。税金面で優遇される制度があるのももちろんですが、親御さんと近くで暮らせることで、育児や家事のちょっとしたサポートをしてもらいやすいのが大きなメリットです。最近はご近所づきあいも薄れがちなので、いざという時に頼れる存在が「家族」というのは、特に共働きのご家庭にとって心強いですよね。

そして、子育てが落ち着いた頃に意識しはじめるのが「介護」のこと。近くに住んでいれば、ちょっとした変化にも気づきやすく、お互いに安心して暮らせる距離感が保てます。親世代を見守る中で「助け合う」という姿勢が自然とできて、将来自分が介護を受ける側になったときにも、きっとその関係性が生きてくるはずです。これは親子にとっても、すごく大きな学びになると思います。

もちろん、二世帯住宅には「干渉が気になる」「気を遣いそう」という不安もあると思います。でも、そういった部分は設計の工夫でかなり解消できます。 私たちアオイノハコの代表・横山自身も、二世帯ではないですが、両親と同じ敷地内に暮らしていて、実際の生活を通じて感じたこともたくさんあります。また、これまで多くの二世帯住宅づくりに携わってきた経験もありますので、「ちょっと気になるな」という段階でも、どうぞお気軽にご相談くださいね。

  1. アオイノハコの二世帯住宅に対する思い
  2. 二世帯住宅の種類について
  3. 二世帯住宅の税金の4つの優遇措置について
  4. アオイノハコが手掛けた二世帯住宅の施工事例
  5. 二世帯住宅経験者に聞いたトラブル回避のためにやったこと

アオイノハコの二世帯住宅に対する思い

アオイノハコの二世帯住宅事例

何のために二世帯住宅を建てるのかを考える(親の想いと子の想い)

二世帯住宅を考えるとき、大事なのは「誰のために」「なんのために」建てるのか、ということ。親御さんにとっては、年を重ねても安心して過ごせる場所ができるし、家族とそばで暮らせるのはやっぱりうれしいものです。子世代にとっては、育児や家事のサポートを受けながら、普段なかなか伝えられない“ありがとう”の気持ちを住まいという形で返せるチャンスでもあります。

もちろん、生活のペースや価値観の違いでぶつかることもあるかもしれません。だからこそ、ほどよい距離感を大事にして、お互いに気持ちよく暮らすための工夫が必要なんです。まずは「うちはどんな二世帯にしたいか?」を、家族でゆっくり話してみるところから始めてみてください。

建てる前に本音で話し合うことが重要

二世帯住宅で一番大切なのは、始める前の“本音のすり合わせ”です。親世代・子世代で暮らしのスタイルも違えば、家事の分担やお金の負担、プライバシーの考え方も違って当たり前。遠慮してしまうと、あとから「こんなはずじゃなかった…」になりがちなので、ちょっと気まずくても率直に話し合っておくことが大事です。お互いの考えをしっかり出し合って、それぞれにとって納得できる住まいの形を探していきましょう。

いちばん大切なのはギクシャクすることを避けること

二世帯住宅は、良くも悪くも“近すぎる距離感”がポイントです。だからこそ、気を遣いすぎたり、言いたいことを我慢してしまうと、だんだんストレスがたまってしまいます。大事なのは、お互いに「こうしたい」「これはちょっと…」を言いやすい雰囲気をつくること。関係がギクシャクすると、せっかくの新居が居心地の悪い空間になってしまいます。そうならないように、最初の段階で不安や希望をしっかり伝え合って、一緒に住むからこその“ちょうどいい距離感”を見つけていきましょう。


二世帯住宅のご相談はアオイノハコへ

理想の二世帯住宅をつくるには、親世代・子世代、それぞれの想いやライフスタイルを丁寧にすり合わせることがとても大切です。どちらか一方の希望だけに偏るのではなく、お互いの「こう暮らしたい」という気持ちをきちんとお聞きしながら、スペースやご予算の中で何を優先するかを一緒に整理して、最適なかたちをご提案していきます。アオイノハコでは、親御さん・お子さんどちらの立場にも寄り添いながら、長く心地よく暮らせる住まいを目指してサポートしています。二世帯住宅のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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二世帯住宅の種類について

二世帯住宅には、家族同士の距離感や暮らし方に合わせて「完全分離型」「部分共有型」「完全同居型」の3つのタイプがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、どんな暮らし方が理想なのかをイメージしながら選ぶのがポイントです。ここでは、それぞれのタイプについてわかりやすくご紹介します。

完全分離型

親世帯と子世帯、それぞれがしっかり独立して暮らせるタイプの二世帯住宅です。玄関はもちろん、キッチンやお風呂、トイレまで、すべてを別々に設けるスタイルです。建物の分け方には「横割り(上下で分ける)」と「縦割り(左右で分ける)」の2パターンがあり、どちらもプライバシーをしっかり保てるのが特徴です。

完全分離型の特徴

・世帯ごとに完全に独立した生活空間を持つ

・玄関や水回りもすべて別々に設置

完全分離型のメリット

・世帯ごとに完全に分離されているので、自分たちのペースで生活できる

・水回りを分けられるので、お互い気を遣わずに済む

・光熱費などの支出もきっちり分けられる

完全分離型のデメリット

・設備が2世帯分必要になるため、建築コストが高め

・行き来する際に少し手間がかかる

・建物にある程度の広さが必要になる

部分共有型

家の中の一部(例えば玄関やキッチン、お風呂など)を共有しながら暮らすスタイルです。必要な設備はすべて別にするわけではないので、建築費用を抑えつつ、適度に家族との距離も保てます。リビングだけ共有、または玄関だけ共有するなど、暮らし方に合わせて柔軟に設計できるのもこのタイプの魅力です。

部分共有型の特徴

・親世帯と子世帯が一部の空間や設備を共有するタイプ

共有する範囲は家庭ごとにアレンジ可能

部分共有型のメリット

・建築コストが抑えられる(設備を完全に分ける必要がない)

・気軽に顔を合わせやすく、コミュニケーションが取りやすい

・光熱費を共用できる

部分共有型のデメリット

・共有部分が多いとプライバシーが気になりやすい

・世帯ごとの生活リズムの違いがストレスになることも

・共有部分の使い方のルールを明確にする必要がある

完全同居型

すべてのスペースを親世帯と子世帯で一緒に使うタイプ。いわゆる「一つ屋根の下で暮らす」スタイルです。リビングやキッチンも共有で、家族一緒に過ごす時間が自然と増えるため、絆も深まりやすくなります。反面、生活リズムの違いやプライバシーの確保には注意が必要です。

完全同居型の特徴

・玄関・キッチン・お風呂・リビングなど、すべてを共用

・家族全員が一緒に暮らすことを前提にした設計

完全同居型のメリット

・設備が1つで済むため、完全分離型や部分共有型に比べて建築費用が安く抑えられる

・建物をコンパクトに設計できる

・食事や団らんの時間を共有しやすく、家族のつながりが深まりやすい

完全同居型のデメリット

・生活空間が完全に重なるため、気を遣う場面が増える

・同じ時間帯にキッチンやお風呂を使いたいと不便に感じることも

・将来的に別居を考えたときに柔軟な対応がしづらい

二世帯住宅の税金の4つの優遇措置について

二世帯住宅を建てる際、「税金の優遇があるって聞いたことがあるけど、具体的にはよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか? 実は、一定の条件を満たせば、いくつかの税制優遇を受けられる可能性があります。主に対象となるのは次の4つです。

・相続税(小規模宅地等の特例)

・不動産取得税(二世帯分の軽減措置)

・固定資産税(二世帯分の軽減措置)

・住宅ローンの減税(二世帯控除)

たとえば、親世帯と子世帯が同じ敷地・建物内で暮らすことで、将来の相続税が大きく軽減されたり、建てた時にかかる不動産取得税や固定資産税が抑えられたりします。 また、住宅ローン控除も、それぞれがローンを組んでいれば、双方で減税を受けられるケースもあります。 どれも細かな条件があるため、すべてのケースで適用されるわけではありませんが、うまく活用すればかなりの節税になることも。 アオイノハコでは、これらの税制優遇についても丁寧にご説明し、事前にしっかり確認したうえでプランをご提案しています。「自分たちの場合はどうなるの?」というご相談も、どうぞお気軽にお寄せください。


①相続税(小規模宅地等の特例)

小規模宅地等の特例は、相続のときに土地の評価額を最大で80%も減らせる制度で、相続税の負担を大きく軽くできます。もともとは、高い相続税のせいで自宅を手放さなければならないケースを減らすために作られました。この特例を使うと、相続税の計算に使う土地の評価額がぐっと下がるので、納める税金も抑えられます。

小規模宅地等の特例
適用条件
・親子が同じ建物に住んでいること
・建物の敷地の名義人が親であること
・子が親に家賃を支払っていないこと
・区分所有登記がされていないこと(分離型では適用不可)

適用範囲と節税効果
・対象となる土地の種類:「特定居住用宅地等」「特定事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」
・限度面積:330㎡まで
・減額率:最大80%
・区分所有登記がされていないこと(分離型では適用不可)

②不動産取得税(二世帯分の軽減措置)

二世帯住宅では、1世帯あたり1,200万円(長期優良住宅の場合は1,300万円)の不動産取得税の控除が認められており、これを二世帯分適用できるため、合計で最大2,400万円(または2,600万円)までの控除が受けられる可能性があります。

二世帯分の不動産所得税の軽減措置
適用条件
・新築住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下
・二世帯住宅として認められること

4,500万円の一戸建て vs 二世帯住宅の税額比較
【一戸建ての場合】(4,500万円 − 1,200万円) × 3%(税率)= 99万円

【二世帯住宅の場合】(4,500万円 − 2,400万円) × 3%(税率) = 63万円

二世帯住宅の方が36万円も税負担が軽減されます。

③固定資産税(二世帯分の軽減措置)

二世帯住宅で、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した住まいとして認められる場合、土地や建物の固定資産税の軽減措置を2戸分受けられます。そのため、一戸建てと比べて税金の特例が2戸分適用されるので、結果的に固定資産税の負担をぐっと抑えられるのが大きなメリットです。

二世帯住宅の固定資産税の軽減措置
家屋の固定資産税軽減
・50㎡以上280㎡以下の住宅が対象
・1世帯あたり120㎡分の固定資産税が新築後3年間2分の1に軽減(二世帯住宅なら最大240㎡まで適用可能)、さらに長期優良住宅の場合は新築後5年間、2分の1に軽減。

土地の固定資産税軽減
・1世帯あたり200㎡までが小規模住宅用地として扱われる
・固定資産税の課税標準額が6分の1に軽減
・都市計画税が3分の1に軽減
・二世帯住宅なら最大400㎡まで適用可能

④住宅ローンの減税(二世帯控除)

二世帯住宅の登記を「共有登記」や「区分登記」で行うと、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した住宅の所有者として認められます。これにより、両方が住宅ローンを利用している場合、それぞれが住宅ローン減税を受けられるので、最大で2人分の減税を受けられるのが大きなメリットです。

二世帯住宅のローン減税
減税額
・年末ローン残高の0.7%を13年間控除(所得税・住民税)

適用条件
・共有登記または区分登記されていることが条件
・1世帯あたりの床面積が50㎡以上、居住空間が全体の2分の1以上が必要

アオイノハコが手掛けた二世帯住宅の施工事例

私たちが手掛けた二世帯住宅の施工事例をご紹介します。アオイノハコではこれまで多くの二世帯住宅を建ててきました。一軒一軒に施主様の想いと工夫が溢れています。

施工事例:岐阜県土岐市 平屋(完全同居型)

完全同居型の二世帯住宅
竣工 2022年
家族構成 夫婦+お母様+愛犬
階層 平屋
構造 木造軸組工法
延床面積 95.57㎡

アオイノハコの親会社である葵建設が約40年前に手がけたご実家があります。年を重ねたお母さまが暮らすご実家の隣に寄り添うように建てられた平屋のお宅です。ご自身も定年を迎え、愛犬と一緒に暮らす夢を叶えられました。お母さまを隣で見守りながら、将来的にはお母さまも一緒に暮らせる間取りや、愛犬がのびのび過ごせる工夫がされています。

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施工事例:愛知県一宮市 2階建て(部分同居型)

部分同居型の二世帯住宅
竣工 2022年
家族構成 ご夫婦とご高齢のご夫婦(二世帯)
階層 2階
構造 木造(SW)/長期優良住宅/耐震等級3
延床面積 207.63㎡

90代のおじいちゃんとおばあちゃんも安心して暮らせる二世帯住宅です。1階にはご高齢のご夫婦がゆったり過ごせる憩いのスペースや寝室、収納をしっかりと設けています。回遊できる動線でトイレへのアクセスも短くなるよう工夫しました。また、家族のコミュニケーションを大切に考え、リビング・ダイニングから水回りや階段へつながる設計にして、お互いの気配を感じられるプランになっています。

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二世帯住宅経験者に聞いたトラブル回避のためにやったこと

二世帯住宅は、親世帯と子世帯が近くに住める安心感がある反面、生活スタイルの違いからトラブルが起こりやすいこともあります。そこで、実際に二世帯住宅を建てた方々の経験をもとに、トラブルを防ぐために工夫したポイントをご紹介しますね。

二世帯住宅のプライバシー

生活リズムやプライバシーの確保について話し合う まず取り組んだのは、お互いの生活リズムを確認し、家族全員で話し合い、家をたてるときのルールを決めました。特に、親は朝型、子は夜型の生活スタイルだったため、寝室の配置を工夫し、生活音が響きにくい設計にしました。さらに、防音対策として、壁や床に防音材を使用し、階層分離型の場合は防音マットを導入しました。

二世帯住宅の共有スペーズ

共有スペースの使い方を決める 玄関やキッチン、浴室などを共有するかどうかが大きな課題でした。そのため、キッチンや浴室を別々に設ける完全分離型を選択しました。ただし、玄関は共有するため、収納スペースを分け、世帯ごとに靴箱や傘立てのスペースを確保しました。また、共有スペースを清潔に保つため、掃除や片付けのルールも決めました。

二世帯住宅の家計の分担

家計や光熱費の分担ルールを明確にする 家計や光熱費の負担を事前に話し合い、分担ルールを決めました。特に、水道・電気・ガスについては、メーターを分けて使用量を可視化することで、公平な負担にしました。また、食費や日用品の管理についても、基本的には各世帯で負担する形にし、共有するものだけを共同で購入するルールを設定しました。

二世帯住宅の子育てとしつけ問題

子育ての分担を決める 干渉しすぎない距離感を保つためにお互いにルールを決めました。子育てについては、親世帯が口を出しすぎないよう注意しつつ、子世帯も必要なときには相談するというルールにしました。また、家事の分担についても、「手伝えるときは手伝うが、基本的にはそれぞれの世帯で完結する」ことを前提にしました。

二世帯住宅の介護問題

親の介護が必要になったときのことを決める 妻と将来の介護についても事前に話し合いました。まず、介護の負担を減らすために、親の住まいをバリアフリー設計にすることを決定し、段差をなくしたり、手すりを設置したりしました。また、介護が必要になったときに、どのようにサポートするのか、誰がどのような役割を担うのかも具体的に決めました。


まとめ

アオイノハコでは、これまでたくさんの二世帯住宅のプランづくりに携わってきた経験を活かし、親世代と子世代の双方の思いにしっかり寄り添いながら家づくりをサポートしています。代表の横山自身も、ご両親と同じ敷地で暮らした実体験があり、理想と現実のバランスをとったアドバイスができるのが強みです。

「どこまで一緒に暮らすか」「お互いに干渉しすぎない距離感はどうする?」「経済的な負担はどう分ける?」など、ご家族ごとに違う事情や悩みにしっかり耳を傾けながら、一番合ったプランをご提案します。まずはお気軽にご相談くださいね。

名古屋の注文住宅ビルダー
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